変な名前
2005年 08月 27日
夏の夜、閉店後のショッピングセンターの駐車場で拾ったボックン。
暗がりの中で、「柴だ!」と思って、思わず「おいで」と言っちゃった。
きれいそうだし、人なつっこいし、飼い主もすぐに見つかるだろうと思った。
ショッピングセンター付近を一緒に歩くと、灯りの付いているところには、どこへでも入って
いこうとした(スナック、コンビニ、民家等)。
途中で交番を見つけたので、茶色い柴犬を拾った事を伝えると、おまわりさんから
動物愛護センターにも連絡しておくよう言われた。
既に夜の10時をまわっており、とりあえず家に連れて帰った。
朝になって見てみると、柴の雑種のようだった。
きれいだと思ったが、被毛は触るとチクチクするほど硬く、量も少ない上、所々湿疹で
ずるむけになっていた。
首輪もひどく痛んでおり、放浪の長さを物語るようだった。
飼い主は見つからないような気がした。
いろんな名前で呼んでみたが、どれも反応がなく、雄だったのでとりあえず
「ボックン」と呼ぶことにした。
動物愛護センターにもインターネットの迷子犬の掲示板にも、該当する犬は載ってなかった。
拾った時は、とても人なつっこそうに見えたボックンだったが、体を触られるのをすごく嫌がり、見知らぬところに連れてこられたショックのためか、はじめは食餌もほとんど食べなかった。
庭に繋いでおいたボックンは、夜は必ず土を掘って寝ていた。
5日ほどたった頃、見かねた母が、意を決して風呂に入れたのだが、暴れるわ汚いわで、
「拾ってきたくせに」と散々文句を言われた。
きれいになったところで、病院に行った。
血液検査の結果、感染症等はなく、湿疹の薬をもらって帰ってきた。
その日から家に入れることにした。
最初に家に入ったボックンは、あちこち匂いをかいでまわり、掃除機にオシッコをひっかけた。
「ダメ!」と言ったら、その後家の中でオシッコすることはなかった。
ポンタも、最初の1日2日はいぶかしがって吠える事もあったが、なにせボックンが
ウンともスンとも言わない犬なので、ひどい拒否反応はなかった。
ただ、夜、エアコンを切ると、すごい勢いで湿疹を掻きだすのだが、湿疹を掻く足がいちいち
床に当たるため、トントントンという音が一晩中響いた。
また、ズルムケ箇所を掻く度に「ギャイーン」と叫んだ。
仕方なくエアコンは24時間フル稼働となった。
一旦、家に入ったボックンは、今度はなかなか家から出ようとせず、散歩の度に抵抗した。
でも、秋も深まる頃には、新しい生活にも慣れ、湿疹も大分良くなり、剥けた皮膚にも
少しずつ毛が生え始めた。
ただし、私たち家族の事は、相変わらず、「餌をくださる見ず知らずのお方」としか
思っていないようで、食べ物をもらう時以外尻尾を振る事はなかった。
やがて春になり、ズルムケが跡形も無く消えた頃、最初にかかったきりだった病院から
狂犬病の予防接種のお知らせが届いた。
宛名を見ると、「伊藤ボックンちゃん」になっていた。
いくらなんでも、クン(君)にチャン付けはないだろうと笑っていたが、
病院でもしっかり「ボックンちゃん」と呼ばれていた。
ちゃんとした名前を付ければよかったと後悔しても遅かった。
暗がりの中で、「柴だ!」と思って、思わず「おいで」と言っちゃった。
きれいそうだし、人なつっこいし、飼い主もすぐに見つかるだろうと思った。
ショッピングセンター付近を一緒に歩くと、灯りの付いているところには、どこへでも入って
いこうとした(スナック、コンビニ、民家等)。
途中で交番を見つけたので、茶色い柴犬を拾った事を伝えると、おまわりさんから
動物愛護センターにも連絡しておくよう言われた。
既に夜の10時をまわっており、とりあえず家に連れて帰った。
朝になって見てみると、柴の雑種のようだった。
きれいだと思ったが、被毛は触るとチクチクするほど硬く、量も少ない上、所々湿疹で
ずるむけになっていた。
首輪もひどく痛んでおり、放浪の長さを物語るようだった。
飼い主は見つからないような気がした。
いろんな名前で呼んでみたが、どれも反応がなく、雄だったのでとりあえず
「ボックン」と呼ぶことにした。
動物愛護センターにもインターネットの迷子犬の掲示板にも、該当する犬は載ってなかった。
拾った時は、とても人なつっこそうに見えたボックンだったが、体を触られるのをすごく嫌がり、見知らぬところに連れてこられたショックのためか、はじめは食餌もほとんど食べなかった。
庭に繋いでおいたボックンは、夜は必ず土を掘って寝ていた。
5日ほどたった頃、見かねた母が、意を決して風呂に入れたのだが、暴れるわ汚いわで、
「拾ってきたくせに」と散々文句を言われた。
きれいになったところで、病院に行った。
血液検査の結果、感染症等はなく、湿疹の薬をもらって帰ってきた。
その日から家に入れることにした。
最初に家に入ったボックンは、あちこち匂いをかいでまわり、掃除機にオシッコをひっかけた。
「ダメ!」と言ったら、その後家の中でオシッコすることはなかった。
ポンタも、最初の1日2日はいぶかしがって吠える事もあったが、なにせボックンが
ウンともスンとも言わない犬なので、ひどい拒否反応はなかった。
ただ、夜、エアコンを切ると、すごい勢いで湿疹を掻きだすのだが、湿疹を掻く足がいちいち
床に当たるため、トントントンという音が一晩中響いた。
また、ズルムケ箇所を掻く度に「ギャイーン」と叫んだ。
仕方なくエアコンは24時間フル稼働となった。
一旦、家に入ったボックンは、今度はなかなか家から出ようとせず、散歩の度に抵抗した。
でも、秋も深まる頃には、新しい生活にも慣れ、湿疹も大分良くなり、剥けた皮膚にも
少しずつ毛が生え始めた。
ただし、私たち家族の事は、相変わらず、「餌をくださる見ず知らずのお方」としか
思っていないようで、食べ物をもらう時以外尻尾を振る事はなかった。
やがて春になり、ズルムケが跡形も無く消えた頃、最初にかかったきりだった病院から
狂犬病の予防接種のお知らせが届いた。
宛名を見ると、「伊藤ボックンちゃん」になっていた。
いくらなんでも、クン(君)にチャン付けはないだろうと笑っていたが、
病院でもしっかり「ボックンちゃん」と呼ばれていた。
ちゃんとした名前を付ければよかったと後悔しても遅かった。
by ponta200041
| 2005-08-27 17:41
| ポンタとボックン